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待合室で患者と談笑する村井和さん(写真右)
=和歌山市吹屋町の「和クリニック」

 「鍼(はり)」の力を探る「蓮風の玉手箱」は医師で鍼灸を治療に取り入れている村井和・和クリニック院長と、鍼灸師の藤本蓮風さんとの対談の3回目をお届けします。前回は、体調を崩して勤務先の病院を休職していた村井さんが蓮風さんの鍼と出会ったきっかけが語られました。今回は、その続きです。蓮風さんが代表をつとめる鍼灸学術団体「北辰会」に村井さんが入った思いも伝わってきます。(「産経関西」編集担当)


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 蓮風 (村井さんは患者として)僕のもとにいらしたときから、鍼による治療にたいへん興味を持っておられた。これはもう実践の上で先生にお伝えした方がいいと思ったからね、休職から病院に復帰してからも治療を受けながら東洋医学をやったらどうかなと、確かそういう気持ちで、復職後の治療を勧めたと思います。

 村井 はい。先生が、仕事に復帰して患者さんを救っていくことで自分も救われるっていう風に教えてくださいました。

 蓮風 うーん。それ、非常に大事なことを言っておりますね。いろんなダメージがあったけれども、むしろ医療をやることによって患者さんが救われる。その救われることによって先生自体が癒やされるであろうということを言った訳ですね、うん。それから間もなく「北辰会」に入って来られるんですね?

 村井 そうですね。職場復帰の前に、もう「北辰会」に先に入ってたと思いますね(笑)。

 蓮風 ああそうか!はっはっは(笑)。

 村井 ほぼ同時ぐらいですね。

 蓮風 その時に、これは面白いなとか、こういう事は変わってるなとか、そういう印象ありました?

 村井 そうですね、「北辰会」の印象っていうか、まあ、蓮風先生そのものって言うか…。「(藤本)漢祥院」に初めて来た時の印象から話しても良いですか?

 蓮風 うんうん。

 村井 先生の治療を受けて本当に、小さい頃から憧れてた医学に、やっと逢えた気がしたんです。

 蓮風 ああ、巡り逢えたと。

 村井 ええ。

 蓮風 そういう思いがあったということは、先生自身の身体が実際良くなったし、眼も良くなったんですよね?

 村井 そうですね。眼も良くなりました。

 蓮風 白濁してましたからね、最初診た時はもう、右目はね。

 村井 ええ、ええ。白濁はもう綺麗に治りました。

 蓮風 で、今はちょっと眼は弱いけれど、白濁するっちゅうことはほとんどなくなっとるわけですね。

 村井 ええ。
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 蓮風 西洋医学的にいうと病名は何なんですか?

 村井 んー、最初は「強膜炎」というのが起こって。

 蓮風 強膜炎。

 村井 そのずっと前には眼を、角膜を傷つけたこともあったんですけど、そこを中心に炎症が広がって、で、「痛い痛い」って言ってたところに、ステロイドの点眼をずっと続けて。で、そういうのが色々重なって白濁していったと思いますね。

 蓮風 まあそういうことで、身体全体とそういう眼の難病が治って来たということが非常に先生には新鮮に見えて、これが本当の鍼だ!と思われたっちゅう訳ですね。

 村井 そうですね、初診で鍼をしていただいた瞬間から思っていましたね。

 蓮風 先生は内科がご専門なんですけども、東洋医学との根本的な違いは何だと思いますか?

 村井 そうですね…。まず、3つぐらい挙げたいと思いますけど、1つは、目に見えない「気」っていうものがあるっていうことが前提にして、成り立ってるところが全然違うと思いますね。

 蓮風 そうですね。西洋医学はむしろ形のある世界で、形を追求していく世界ですよね。

 村井 はい。

 蓮風 他に?

 村井 そうですね。歴史がすごく長くて、何千年という歴史がある。西洋医学も歴史はあるんですけど、今のような形になって普及してるのは100年くらい前から。で、今も発展し続けてる。どんどん変わっていきますし。そういう意味では何年か前に常識だった治療や養生法とかが、もう全然ガラッと変わってしまうっていう世界で。で、それに対して東洋医学の方は完成度が高くて、そう容易には根本的な原理とか真理は変わらないってところがすごく魅力だと思います。蓮風先生の治療はどんどん進歩されますけど。で、もうひとつは道具がそんなに要らないっていうところで、自分の身体ひとつあれば診察できるっていう。で、診断もできるってところが素晴らしいと思いますね。<続く>